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自動運転車が走りやすい安全な道路とは? Mark Patrick

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近年、自動運転車を取り巻き、先進センサ技術やニューラルネットワークの分野も含め、驚くべき速度でテクノロジー開発が進んでいます。


しかし、自動運転車の実現にあたってテクノロジーが必要なのは、自動車そのものだけではなく、走行する道路にも、自動運転車がより走りやすい、より安全な道路へと進化させる必要があります。この点にいたっては、少しずつ注目を集めてはいますが、まだ広くは認識されていないようです。

 

例えば、米国運輸省は自動運転車のためのガイドラインを発表していますが、 そこでは自動車メーカーが製品の安全性を確保する上で守るべき項目を定めながらも、道路建設業者やドライバーが何を守るべきかについては言及していません。このような視野の狭さも当然かもしれません。現在、半自動運転車が自動車全体に占める比率はまだ低く、どれほど大胆な予測をしても、この比率が大きく変わることは当分の間ないからです。

このようなことから、次のような大きな疑問が生まれます。ごく少数のドライバーのために資金を投じて道路を作り変えるのは、果たして正しいことなのだろうか?  そのような改修によって、利用者の安全が脅かされたりしないか?

そんな議論が行われている間にも、自動運転車の設計や製造を行っているメーカー側は、道路網の強化を積極的に推し進めており、 政府もその動きに応えています。

 

正しい車線標示を

自動車メーカーは、政府の基準に従った正しい路面標示こそが、直接の改善につながると訴えています。

テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏は、ロサンゼルス近郊の高速道路の車線が二重に表示されている状況を記者たちに伝えました。車線が二重になると、自動運転車は間違った表示に従い、車線から外れてしまう可能性があります。テスラが自動運転車のために道路を安全なものにするには、事前にあらゆる車線をマッピングしておかなければなりません。つまり自動車はすべてセンサに依存しているわけではないのです。「もっときちんと車線を表示すべきだ。こんな車線標示はクレイジーだ」とマスク氏は言います。同氏は道路の改修に向けてロビー活動を行う団体にすでに資金提供を行っています。

 

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図1:英国ボストンの戦争記念公園付近のバス停と自転車用レーンの路面標示(2020年8月)。(画像:Tony Dunn / Shutterstock.com)

 

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道路標識と信号の統一

自動運転車メーカーが頭を悩ませているのは、標識、信号、道路標示が統一されていないという点です。州や国境を越えると、要素のデザインや形式が一変してしまうこともあります。

 

スマート道路

従来の道路要素をただ改善するだけはなく、スマートソリューションへとシフトする動きも見られます。米国政府の研究者グループは最近、次のような見解を発表しました。「自動運転車が安全に走行するためには、道路、道路標識、信号がマッピングされ、インテリジェント化される必要がある」。

 

車車間・路車間通信

スマートな道路を作るというこの動きに、車載LTEやDSRC(狭域通信)などの通信規格はまさにうってつけです。こうした通信技術によって、車車間通信(V2V)と路車間通信(V2I)が可能になり、さらには、このいずれもがより広範な車車間・路車間通信(V2X)を構成するものとなります。V2Vシステムは、航空機に使用される空中衝突防止装置(TCAS)にように、衝突の可能性をドライバーに警告してくれます。米国運輸省道路交通安全局は、10年以上におよぶ推進運動を経て、トランスポンダーを使用したV2Vシステムの義務化に関して、やっと公式な承認を得るところまで来ています。

 

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図2:V2V通信は、自動運転車が走行する安全な道路を作るために不可欠です。(画像: Scharfsinn - shutterstock.com)

 

V2VとV2Iは、もともと人間のドライバーを支援することを想定して生まれた技術です。しかし、どちらも自動運転車にとって極めて有益な技術であり、センサデータを補完し、そのデータを他の道路利用者と共有することで 、状況をより明確に把握することが可能になります。中国のネット検索大手、バイドゥの研究者はさらに大きなメリットがあることを指摘しています。例えば、警察官が交通整理で行う手信号は、自動運転車には理解できず、手信号の指示に従うためには人間のドライバーによる制御が必要になります。バイドゥは、このような場合、交通整理の警察官にビーコンを装着させ、V2Iネットワーク経由で自動車を誘導するなど、V2X技術がこの問題の解決策になると説明しています。

 

 

人間のドライバーにとってのメリットとは?

自動運転車のために道路を作り変えようというこうした動きは、議論を招くことになるでしょう。自動運転車のために最適な道路ができたとしても、人間のドライバーの安全性が損なわれる可能性があるからです。さらには、ある道路の区間は人間のドライバーによる運転が禁止されるという状況も生まれるかもしれません。

 

自動運転車は人間のドライバーよりも周囲状況の認識力が高く、またより迅速に反応できます。そのため、自動運転車向けの道路はもっと狭くすることができるので、建設費は低くなり、土地の有効活用にもつながります。自動車もより狭い車間距離で、より速く走行することができ、しかもV2I技術によって道路標識や信号機も不要になります。ただし、これはすべて、人間のドライバーや歩行者などの道路利用者が混在していないことが前提となっているのです。

 

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改善への歩み

ここで最初の疑問に戻ってみましょう。自動運転車のために道路を作り変えるのは、本当に正しいことなのでしょうか。この議論は今後も続き、明確な答えは見つからないのかもしれません。特に政府からの介入もないまま、これからも小規模の改修が少しずつ行われてゆくのでしょう。

 

2035年の未来を想像してみて下さい。今や自動車の4台に1台が、高度な自動運転機能を搭載しています。都市交通計画の担当者たちは、衝突事故データを調べ、交通量の多い交差点での衝突事故の大半が自動運転車によるものであることに気づきます。さらに調べると、太陽光がある角度から差すとセンサが信号機を読み取れなくなることが、事故原因であることが判明したことで、新しい信号機を導入すると、すぐに衝突事故は減少します。こうした対応が、自動運転車のための安全な道路作りにつながっていきます。

はたして、人間にとって、それが本当に安全な道路なのでしょうか?  

 



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